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オウムを内部から撮ったドキュメンタリー。価値観変わりますよ。
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ダンス・ダンス・ダンス  著:村上春樹
とても不安定な足場に立たされて
ぎりぎりのバランスを取りながら
落下しないように歩かされている。
しかも決まった速度で進む時間という目に見えない壁に挟まれて
速く歩くことも遅く歩くこともできない。
さらにはどんなに上手く歩いても
足場は永遠に続いているわけではなくて
いつかは途切れてしまう。
人は必ずその足場から落下するように出来ている。

負けの決まったゲームなんてフェアじゃないって思うかもしれない。
けれど、そこには最初から勝敗なんてない。
ただ、落ちないように歩くだけなんだ。
友達や恋人など、自分の大切な人が先に落ちてしまうかもしれない。
出来ればその場所に留まって
悲しみに暮れていたいと思うかもしれない。
けれども見えない壁は僕たちを無理やりにでも前に推し進めていく。
そしていつか、失ったものが見えないくらい遠くまで進んでいく。
そういうルールの元で僕たちは生きているんだ。

1人で歩き続けるのは寂しい。
孤独だ。
ルールはルールとして
感情は感情として
それぞれが別個に存在している。
ルールは変えられない。
ならばルールの中でうまくやるしかない。
だから僕たちは繋がりを必要とする。
それがどんな形のものであれ、世界と繋がっている。
あるいは人と人とを、君と僕とを繋いでいる。
そうしないわけにはいかないからだ。
うまくいくかどうかなんて先のことは分からない。
ただ、簡単にお手軽に後悔するくらいなら
そうならないように努力はしたい。
君がいなくなってしまってからでは手遅れだから。






という気分になった。
| 小説 | 11:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
死神の精度  著:伊坂幸太郎
1週間の調査を行い、「可」と判断された人間は8日目に死ぬ。
そんな調査を行う死神の千葉が出会った人々の物語を綴った短編集。

人間の持つ愚かさや愛おしさなど様々な側面を
人間とは違う感性を持つ死神からの視点で浮かび上がらせながら
エンターテイメントとして読ませる。
任侠・恋愛・ミステリ・純文学といった感じで
それぞれの話が小説としてのジャンルがまったく違うように見えながら
一貫性を持たせることが出来ているのは
ある物語の主人公が他の物語の脇役として顔を出すという
伊坂幸太郎が得意とする手法によるところが大きいだろう。
最初から順番に読んでいって
最後の「死神対老女」の物語の最後に差し掛かった時の
物語のリンクの仕方と景色の描写に
様々な悲しみを抱えて受け入れた上での
優しさや清清しさみたいなものを感じて
日常生活では感じないような人間らしい感情の複雑さを
物語の中に感じて強く胸を打たれた。

死神を主人公にすることで「生」と「死」を浮かび上がらせているが
「死神対老女」はきっと作者なりの「生」と「死」への答えなのだろう。
「いつか死ぬ」という当たり前の結論に達しながらも
そこには光が溢れていて「生」を肯定している。
現代では「生」と「死」は対立概念として扱われているけど
元来は「生」と「死」は一連の流れにあって
お互いに反発しあうものではないということを強く感じた。
| 小説 | 01:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
金色のミルクと白色い時計  著:大原まり子
知り合いに借りた大原まり子の短編集。

SF作家だしシチュエーションもSFなんだけど
御伽噺っぽかったりホラーっぽかったりするのもあって
バリエーションがあるから楽しく読めた。
短編はちょっとした空き時間に読めるのもよい。

缶詰の中にお話が入っていて
空けるとその話の中に入り込めるという「お話の缶詰」や
過去に跳び続ける少女と出会う「タイム・スリップオン・ガール」や
嘘つきの少女と嘘を理解できないお手伝いロボットを通じて
人間の性質としての嘘を描く「お手伝いの春さん」や
人の心を読める少女と念動能力者という特殊能力者が通じ合う
若い心の恋を描いた「東京爆弾娘」や
殺した女の霊の手が白いマフラーの形で取り付いている男を描いた
「白い手のマフラー」あたりがお気に入りだった。

あと個人的に好きだったのは
「太陽の黄金の・・・・・・」というお話。
物語自体はそんなに好みってわけじゃないけど
そこで描かれている情景がとても好みだった。
外観もやりとりも人間そのもののように出来ているロボットが
女に「抱きしめて」って言われて抱きしめて
「もっと強くよ!」と言われてギュッと抱きしめて
そのまま万力で締め付けられたように
女の体から大量の血が噴出して潰れて息絶える。
なんて残酷で美しく悲しい光景だろうと思った。


ただ大原まり子の本で唯一の欠点やなと思うのは
バブル期の空気を胸いっぱいに吸い込んで書ました
っていう感じが全編に出てるので
ちょっと恥ずかしくなるような
前時代的な小物がたくさん出てくるとこだな。
当時の時代背景とか流行を知らないと
その小物がどういうものなのかが分かりづらくて
しかもバブル期は歴史的普遍性を持って認識されるには
ちょっと最近すぎるので
当時のトレンディドラマを今見る時みたいな
変な古さみたいなのを感じる時があって
それは大原まり子のせいじゃなくて
書かれた時代の雰囲気のせいやからどうしようもないんやけど
読んでるとちょっと恥ずかしくなってしまうんよね。
後追いで読む僕にとってはそこだけ残念に感じた。
| 小説 | 07:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
王城の護衛者  著:司馬遼太郎
一つ前の日記に書いた「四字熟語で読む日本史」を
読み終わったところでたまたま頂いた一冊。
幕末〜明治維新にかけての偉人たちを描いた歴史小説。
短編が5つ収録されています。
歴史小説は史実をなぞるだけで
退屈になってしまいがちなのが多いけど
この本はどの物語もドラマチックに描かれていて
さすが司馬遼太郎と言いたくなる面白さだった。


1つ目の「王城の護衛者」は会津藩の松平容保の話。
将軍に対する絶対的な忠誠を家訓として持ちながら
神道藩であったために天皇に対しての思いもあり
京都の守護者となった松平容保。
信頼した天皇の崩御と共に時代の波に飲まれていった彼の
波乱万丈の人生がそこにはあった。

2つ目の「加茂の水」は岩倉具視の影にあって
思想や文才で維新を支えた玉虫操の物語。
権力から最も遠い存在の玉虫操が権力者のツールになった悲劇。

3つ目の「鬼謀の人」は大村益次郎の物語。
身分制度が厳しくて長州藩では認められなかった大村益次郎が
江戸で他藩や幕府のための翻訳活動などで認められ
長州藩に取り立てられて活躍する様を描いた物語。
あまりに合理主義すぎて人の心を介さないために
最後には暗殺されてしまう。
多くの変革の時代に現れた天才と同様に
時代の変革のために呼ばれ
時代の変革と共に去っていってしまったかのようだった。

4つ目の「英雄児」は小さな藩に生まれてしまった
英雄の器を持つ河井継之助の物語。
時代の変化を読み商いによって藩を建て直し
その収益を元に藩の軍の洋式化を進め
長岡藩をスイスのような武装中立にしようと志した。
新政府軍との交渉が決裂して新政府軍と戦い
一藩の力で新政府軍を苦しめたが
流れ弾によって負った傷が悪化して死んでしまう。
小さな藩ではなく列強藩に生まれていたら
日本を大きく変えたかもしれない男が
小さいな藩に生まれてしまった。
そんな悲劇が詰まった話だった。

5つ目の「人斬り以蔵」は土佐藩の郷士である岡田以蔵の話。
剣の腕は立つが頭が悪いために
思想・思考・判断などを他人に委ね
言われるがまま、頼まれるがままに人を切り
コマとして使われて悲劇的な最後を遂げることになる。
思考停止することは怖いことだということを
とても考えさせられる話だった。
| 小説 | 00:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
僕のなかの壊れていない部分  著:白石一文
こないだもらったので久しぶりに読んでみた。

全体を通してペシミスティックすぎるとことか
主人公の理屈っぽい感じがちょっと鼻につくところもあるけど
生きることの傍らにいつもいるはずの死を
見ない振りするのではなく認め受け入れようとするとことか
誰かと打ち解けることが苦手で居場所がないとことか
基本的には前に読んだ時と同じように体に馴染んだ。
現象として生きてることが正しいなら
現象として死ぬことも正しいはずで
死をタブー視して見ようともせず
ただ長く生きることを至上命題とするこの世の中は
なんだか気持ち悪いなぁと思ってるので
生きてたらいつか死ぬっていう当たり前のことを
当たり前に書いてるのは個人的には好感を持てる。
その前提の中で『いかに生きるか=いかに死ぬか』を
必死に見つけようとする姿がとてもよい。
その内面の葛藤に反して実際の行動が破滅的で
本人の意図とは裏腹に人を傷つけてしまうとこが
人間って悲しい生き物やなぁとも思う。
出発点の違う思想が分かりあえないことを描きつつ
最終的には分からなくても認めて受け入れてるように見えて
やっぱりうまくやってくにはそれしかないよなと思った。

それとこの本には性的描写がたくさん出てくるんやけど
その中で男女の愛情についていろいろ書かれてて
そういえば誰かを好きになる感情って
セックスを経験してからは
そこに性的な欲求が寄生してしまったけど
もともと別の感情としてあったんよなぁって思った。
性的な欲求はそれ単体で働くのに
異性として好きになることには性的な欲求が付随するのは
なんだか不平等な話だなと。
もちろんセックスするしないと見えないものとかあるから
その全てを否定するわけやないけど
そういう感情とか欲求に振り回されすぎないようにしたいと
そんなことを思ったりしたのでした。
| 小説 | 07:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
黄泉がえり  著:梶尾真治
死んだ家族が生き返って突然帰ってきた。
熊本でそんな怪異が大量発生した。
黄泉がえった人々は一度死んで生き返っているから
どこか悟りを得たようなところがあって
みな優しさや感謝に満ちている。
そしてその家族や友人など回りの人たちに
癒しや赦しを与えていく。
しかし、そんな日々がいつまでも続くわけではなく
最後には別れが待っている。

というお話だった。
一度しかないはずの命の続きを描くことで
逆に一度しかない命の大切さを伝えたり
心を持たない"彼"が最終的に心を持つ部分で
心(特に愛情や優しさや思いやりなど)が
いかに素晴らしいものかを見せたりする感じなんやろな。

正直なところ、僕には可もなく不可もなくみたいなお話に見えた。
心を持たない"彼"が人間に影響されて心を持ったのも
個人的には「なぜ?」って感じやったけど
その心が善良であったところにさらに「なぜ?」が浮かんだ。
まぁ端的に言ってしまえば性善説で書かれた作品なんやろけど
醜悪な心を必死に飼い馴らして何とか生きてる僕は
性善説に馴染めない人間なので
この物語にも馴染めなかったんやろな。
淡々と読み終わってしまった。
| 小説 | 00:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
みんないってしまう  著:山本文緒
人生の中で経験するような喪失のワンシーンを切り取ったような
12の物語が入った短編集。
恋人・友達・家族・プライドなど
様々な喪失がそこにはあって
きっと自分とリンクする物語が
1つくらいはあるんじゃないかな。
僕は「いつも心に裁ちバサミ」「不完全自殺マニュアル」
「まくらともだち」「泣かずに眠れ」の4つに共感できるところがあった。
共感とかじゃなくてストーリーとして心に引っかかったのは
「ドーナッツ・リング」「イバラ咲くおしゃれ道」かな。
どれも切ないだけじゃなくて自分に問い掛けてくるような作品だった。
どちらかというと女性的な作品だから
女の人の方が共感できるかも。
| 小説 | 00:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
重力ピエロ  著:伊坂幸太郎
買ってて読むのを忘れてた一冊。
この物語も登場人物が個性的。
遺伝子関係の仕事をする主人公。
レイプされた母親が身篭って生んだ弟は
街の落書きを消す仕事をしている。
父親は癌で入院中。
そんな家族が放火事件と落書きの繋がりの中でドラマを繰り広げる。
ミステリというには先が読めすぎるけど
物語として文句なしに面白い。
現代社会において血の繋がりのある家族同士の事件とかを思うと
家族というものを再定義するような作品のようにも感じられる。
ラッシュライフと同じ仙台が舞台で
黒澤が登場してラッシュライフのエピソードを語ってるのもおもしろい。
ただ登場するだけでなくて話の中に必要なキャラとして登場してるし
世界観が繋がっていく感じはすごくいい。
この本は一つの章が数ページずつになってるので
ちょっとした時間に区切りよく読めるので
読みやすい感じもすごくよかった。
小説を読む楽しさを再確認させてくれる本やと思う。
伊坂幸太郎はホンマにいい作家やなぁ。
| 小説 | 22:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
葬儀の日  著:松浦理英子
「葬儀の日」「乾く夏」「肥満体恐怖症」の3つを収録。

「葬儀の日」は葬式に雇われて泣く『泣き屋』と
同様に葬式に呼ばれて笑う『笑い屋』の物語。
主人公の泣き屋の女の子と笑い屋の女の子は
お互いを自分の片割れだと感じる。
大人たちはうまく距離を取らないと破滅するぞと言うが
2人はブレーキを踏むことなく
お互いのピースがぴったりと当てはまるように
しっくりとくる関係の中で1つになることさえ望む。
そんな中で笑い屋の女の子が死ぬ。
最後にこの2人が1つに結合されるであろうことを予感させ
物語は終わりを迎える。

人生に自分の片割れがいたとして
もしその人と結合してしまったら
世界は自己完結してしまうのかもしれない。
あえてその人と結合せずに
お互いが長く生きることをよしとするのもよいだろう。
だけど僕は主人公の2人のような生き方が羨ましい。
一瞬で弾け飛ぶような臨界点ギリギリの密度に
僕は長く生きることよりも魅力を感じてしまう。
この物語では双方が描かれていて
どっちがいいとか悪いとか白黒つけてないのもいい。
たぶんそれは好みの問題だろう。



「乾く夏」がこの3つの物語の中で一番好きだった。
年頃の少し感受性が鋭い女の子の物語で
リストカットしちゃったり心中したがったり
本気かどうかは分からないにしても
友達に刃物を向けて襲いかかったりするんだけど
命のギリギリのところでないと
人と繋がってる感じがしないのは
僕もなんとなく分かるなぁ。
あまりにも強い経験をするとある種の耐性が出来るから
日常の範囲内での刺激では感じられなくて
そこから一線を越えないといけなくなるんやろな。
物語の対象が大学生の子たちなので
表現する方向が少女的な感じやけど
内側に潜んでるのはSM的なもののような気がする。
肉体的にではなく精神的に繋がることをよしとする感じ。
肉体も精神もバランスが必要やけど
僕は内的なものが好きなので
こういう内面に切り込むものは好みだった。



「肥満体恐怖症」は母親が太っていたために
太っているというだけで人を嫌いになる女の子の話。
でもそこには死んでしまった母親に対する罪悪感があって
その内面的な葛藤にさらされている。
最後には主人公の肥満を嫌う心が陵辱されるんやけど
そこで主人公はある種の解放を得ることになる。




ってか、感想を書いてて思ったけど
この本って物語の体裁は全部青春を描いているけど
裏側の内面性は全部がSM的なもののような気がしてきた。
そういう作者なんかな・・・(笑)。
| 小説 | 10:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
メンタル・フィメール
知り合いに借りた大原まり子の短編集2冊目。
前に借りた「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」よりも
俄然サイバー・パンクな作品群だった。
面白いなと思ったのはサイバー・パンクな世界観の中で
男女の人間関係などを扱う部分がウエートを占めていて
とても女性的な感覚が見えるところ。

「メンタル・フィメール」を含めていくつかの作品では
世界はコンピュータに支配されている世界観の中で
人間だけでなく異形の者やコンピュータにも心や感情があって
単純な人間だけの世界を描いた作品では見せられないような
精神の深いところまで降りていくような描写がされていて面白かった。
ただSFなので展開が突拍子もなかったり
出てきたものが何なのか分からないけど読んでいくうちに
少しずつ何なのかが分かってくるような書き方がされていたりで
ちょっと読みづらく感じるところはあったかな。

個人的には「時を待つ人」と「風の森の声」が叙情的でお気に入り。
「時を待つ人」時間を超えていける少女の話。
影のある青年とそこに惹かれる少女が時間を超えて出会う話。
自棄的な青年に共感できるところもあったし
大人の女性ではなく少女が持つ母性の感じがよかった。
「風の森の声」は惑星に広がった緑の中で一人で住む老人が
外側から侵略してきた虫としばらく一緒に住み
最終的には食べられちゃうという話。
「森は奪われるのではない、与えているのだ。
 そして、自分もそうなることができるのだろうか、と首は考えていた。」
という文章が最後に出てきて
描写は残酷だけど自然の持つ本質的な包容力を描いているなと思った。
| 小説 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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